三叉神経痛
三叉神経は顔の感覚を支配している神経です。この三叉神経に痛みが生じ、顔に痛みを感じるのが三叉神経痛です。多くは血管による神経の圧迫が原因とされており、突発的な激しい痛みが起こります。診断するうえで重要なのは詳細な問診です。痛みを誘発するトリガーポイント(押すと痛いところ)の存在や、耐えがたい電撃痛といった特徴的な所見で見当がつきます。
薬物治療はカルバマゼピン(抗てんかん薬)が第一選択になります。神経ブロック療法については、痛みの部位によって、それぞれ適応を考慮します。
- 原因
- 多くは血管による神経の圧迫が原因とされており、突発的な激しい痛みが起こります。ほとんどの場合は、この血管による神経の圧迫が原因とされておりますが、まれに神経周囲の癒着などによっても発症します。
- 症状
- 神経の痛みの特徴は、何かに刺されたような痛み、電気が走るような痛みがすることが特徴的です。しかし、痛みは数秒から数十秒で治まり、それが繰り返されます。三叉神経痛の痛みの痛みは、普段の生活から痛みを感じます。具体的には、会話や食事などの時に痛みが誘発されます。痛みが長時間続くと、持続性の痛みに変わるため、早い処置が必要です。
帯状疱疹
子どもの頃に感染した水ぼうそうと同じ水痘・帯状疱疹ウイルスが、疲れやストレスなどの影響で体の免疫力が下がったときに再び活動を始めることによって起こる病気です。通常、体の左右どちらかの神経の流れに沿って、帯状に痛みを伴う赤いブツブツとした発疹や水ぶくれなどがたくさん生じます。3週間ほどで治ることが多いですが、ウイルスによって神経が傷つくことで発疹が治っても痛みのみが長期間にわたって続くことがあり、その状態を「帯状疱疹後神経痛」といいます。
- 原因
- 水ぼうそうと同じ、感染力が非常に強いヘルペスウイルスの一種である水痘・帯状疱疹ウイルスによって発症します。このウイルスに子どもの頃に初めて感染すると、2~3週間の潜伏期間の後に、水ぶくれが全身に広がる水ぼうそうとなります。水ぼうそうは1週間ほどで治まりますが、その後もウイルスは脊髄近くの神経節と呼ばれる場所にじっと潜伏し続けて、消えることはありません。そして疲れやストレスなどの影響により、体の免疫力が低下すると再び暴れだし、神経を通って皮膚まで到達します。そうすると、体の左右どちらかの神経に沿って帯状に赤い発疹が生じ、強い痛みを伴う中央がくぼんだ小さな水ぶくれも集まって出現します。また、ウイルスによって神経が傷ついた結果、発疹が治った後も痛みのみが長期間にわたって続くこともあります。
- 症状
- 一般的には、胸、腹部、背中、顔、頭部などの左右どちらかに、はじめはピリピリ・チクチクといった神経痛のような痛みが生じます。その後、ブツブツとした赤みのある発疹と水ぶくれが帯状に生じて、痛みが次第に増してきます。眠れないほど痛むこともあり、仕事や家事などの日常生活に支障を来すこともあります。同時に発熱、リンパ節の腫れ、頭痛といった全身症状がみられることもあります。約3週間で水ぶくれなどの症状は治まりますが、皮膚に痕が残る場合もあります。重症化するとウイルスが全身に回ることで、体の広い範囲に発疹が現れます。
肋間神経痛
胸や背中の肋間神経の走行に沿って痛みが生じます。「刺すような」、「ピリピリとした」、「しびれたような」、などと表現されることがあります。脊椎疾患、帯状疱疹後神経痛、肺の手術後などの原因があることもありますが、原因が見当たらない特発性肋間神経痛もあります。
- 原因
- 肋間神経痛が引き起こされる原因として挙げられるものは、脊柱の疾患、肋骨の骨折や帯状疱疹などが挙げられる。ストレスも原因のひとつとして原因に挙げられます。人はストレスを感じると交感神経が過剰に興奮し、身体が緊張しやすくなる生き物で、またストレスによって免疫力が低下すると、帯状疱疹も発症しやすくなります。
- 症状
- 針で刺されたような鋭い発作的な痛みが、繰り返し起こります。持続時間は短く、咳やくしゃみ、車の振動などわずかな揺れでも痛みが誘発されます。40〜50代に多く見られる病気です。
坐骨神経痛
坐骨神経に沿って、お尻、太もも、ふくらはぎ、足にかけて生じる痛みの総称のことです。原因としては、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、変形性腰椎症、腰椎すべり症などが挙げられます。
- 原因
- 原因のほとんどは、腰椎椎間板ヘルニアであり、坐骨神経の神経根がヘルニアに触れ、腰を動かすと刺激を受けて痛みを感じます。部位としては、お尻から太ももの後面、ふくらはぎにかけての坐骨神経の通っている部分が多くみられる箇所です。また、こちらも、40〜50代に多く見られる病気です。
- 症状
- 坐骨神経は脚の外側や裏側と感覚に関わっており、その神経が圧迫されることで様々な症状が現れます。代表的なものは、腰から足にかけて痛みやしびれを感じる時がある、歩くにつれて脚が痛くなり、だるさを感じる、休憩をしないと歩けなくなるなどの症状がみられます。