身体的なストレスによる緊張型頭痛
無理な姿勢の維持や長時間のパソコンの使用などによって、頭から肩にかけての筋肉が緊張し血流が悪くなると、乳酸などの疲労物質が筋肉にたまります。
これが神経を刺激して痛みを引き起こすと考えられています。
首筋の筋肉が弱い人ほど、頭部をしっかりと支えることができずに頭痛を引き起こしやすい傾向があると言われています。
頭の痛み
Pain of the head
頭の痛みは、程度は様々ですがほとんどの方が経験したことのある症状です。
また、日本人の3〜4人に1人は頭痛を感じているといわれています。
頭痛には、脳に異常がない一次性頭痛と、脳に異常があって起こる二次性頭痛に大きく分けられます。
ペインクリニックでは主に緊張型頭痛、片頭痛などの一次性頭痛の治療を行います。
緊張型頭痛を引き起こすメカニズムには、身体的・精神的なストレスが複雑に関係していると考えられています。
無理な姿勢の維持や長時間のパソコンの使用などによって、頭から肩にかけての筋肉が緊張し血流が悪くなると、乳酸などの疲労物質が筋肉にたまります。
これが神経を刺激して痛みを引き起こすと考えられています。
首筋の筋肉が弱い人ほど、頭部をしっかりと支えることができずに頭痛を引き起こしやすい傾向があると言われています。
身体的なストレスがなくても、精神的なストレスが原因で頭痛を発症するケースもあります。
精神的に緊張した状態が長期間続くと、脳の痛みを調整する部位が機能不全を起こし頭痛を引き起こしてしまいます。
このように、精神的ストレスを原因とする緊張型頭痛には、生真面目な性格や几帳面さを持った人がかかりやすいといわれています。
片頭痛は、頭の片側または両側のこめかみ付近がズキンズキンと脈打つような痛みが繰り返し起こり、吐き気を伴うこともある疾患です。
月に1~2回や、週に1~2回の頻度で起こります。一度痛み出すと寝込んでしまったり、仕事が手につかなくなったりするなど、多くの方が日常生活に支障をきたします。
顔面や頭部の感覚をつかさどる三叉神経の末端から血管に作用する神経伝達物質は、光や音、においなどさまざまな刺激によって分泌されます。
それらの働きで、脳の表面(硬膜)の神経と血管の周囲に炎症がおこり、血管が拡張して痛みが起こると考えられています。
しかし、片頭痛のメカニズムはまだはっきりとわかっていません。
もともと片頭痛のある人が月の半分以上に頭痛を感じるなど、それが3ヶ月以上続く場合、緊張型頭痛など他の頭痛が混在した「慢性片頭痛」になることがあります。
これまで月に数回だった片頭痛の激しい頭痛の間に、すっきりしない頭が重いような頭痛、締め付けられるような頭痛が起こり、毎日何かしらの頭痛が起こっている状態になることがあります。この頭痛を「慢性連日性頭痛」といいます。
しかし、頭痛のたびに頭痛薬を服用している場合や、頭痛薬を飲んでいるのに効かない場合は、 「薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)」の可能性も考えられます。
頭痛は、自己判断で対処せずに、速やかに受診して診察を受けてください。
末梢神経が圧迫されるなど、何らかの原因によって刺激を受け、その神経が支配する領域に生じる痛みの総称を「神経痛」といいます。
頭や顔、首に起こる神経痛もあり、後頭神経痛、三叉神経痛、舌咽神経痛が代表的なものです。
しかし、これらのいずれにも属さない痛みがあります。これらの分類が困難な顔面痛が「非定型顔面痛」と呼ばれています。
非定型顔面痛の診断は難しく、複数の診療科、医療機関を転々とした後にやっと診断にたどり着いたという患者様が多くおられます。
非定型顔面痛は女性に多く、痛みは上顎の奥歯を中心に「うずくような」「締めつけられるような」痛みに感じます。しびれを感じることもあります。
どうしてもがまんできない激痛ではありませんが、持続的に痛みがあり常に不快感を感じます。
左右どちらか片側が痛い部位であることが多いため、歯の痛みに感じることも多く、歯科治療が行われることがよくあります(非定型歯痛と呼びます)。
脳での痛みの感じ方に原因がある可能性が大きく、そのため消炎鎮痛薬は効かず、抗うつ薬、抗不安薬などが有効なことがあります。
治療には、ある程度の期間が必要なことが多い疾患です。
脳脊髄液減少症とは、脳脊髄液が減少状態になるために、頭痛をはじめとするめまい、耳鳴りなど様々な症状が引き起こされる疾患です。